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「あのなぁ。今使えたって意味ないだろ。……いや、今からもう一回いって……それより、原理の解明が先か?」
クロウが真剣な顔でむずかしいことをブツブツいっている。でもでも、これで決まりだ。クロウは立派な召喚獣!
むずかしい顔をしているクロウの横で、わたしもどうやってクロウを説得させるか考える。お仕事しないと生活できないよ! とか? 一回だけ! ってお願いしてみるとか?
うんうん考えていると、張り紙のあるよろず屋探偵事務所の扉が内側からひらいた。
「お、客か?」
ゆるくウェーブした、まぶしいくらいの金色の髪をした男の人。口には棒つきキャンディー。
すこしたれた目がわたしを見てきゅっと細くなる。ドッキーンと心臓が跳びはねた。ど、どうしよう。まだ心の準備できてなかったのに!
「おー、どうしたお嬢ちゃん。依頼か?」
「あ、あっ、そ、そのっ」
うつむいてもじもじと手をいじる。顔があっついよー。どうしよう。これじゃバレちゃう。
わたしがシタゴコロで働こうとしてることが!
「んん? まー、話はなかで聞こうじゃないの。ほい、どうぞ」
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