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キラキラした笑顔で扉を大きくあけてくれる。
どうしよう。ちゃんといわなきゃ。依頼者じゃないって。働きたいって!
「えっと、そうじゃなくてっ」
わたしは決意して、えいやっと扉の貼り紙を指さす。
「あの! こ、この求人を見てきました! リディルです! 召喚士です! わたしを雇ってくださいっ!」
必死の思いでガバッと頭をさげた。
どうしよう。試験のときよりも、ずーーっと緊張してる。心臓がバクバクいっててうるさいよ。手も足もふるえてきちゃった。どうか採用されますように!
「なに、お嬢ちゃん召喚士なの?」
「は、はいっ!」
「召喚獣は?」
「あ、こ、このクロウがわたしの召喚獣です!」
わたしはとなりに立っていたクロウをぐいっと突き出した。金髪のキラキラさんはじーっとクロウを見て、にぱっと笑う。
「おー、そっか。じゃあ、採用」
「へ?」
「は?」
わたしとクロウの声が重なった。
「ん? だから採用」
「え、でも、面接とか、チカラを見るとか」
それに、召喚士の証明もしてない。
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