青空が泣いた日

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「あの大人が持っていた所持品、捕獲した僕達で分けていいことになったから持ってきたんだ。君が欲しいものがあったら全部貰っていいよ」  リグは大きなリュックサックをアンの前に出して見せる。ジェイクスが背負っていたものだ。中を開くと、衣類や水筒といったものが詰め込まれている。「服は流石に要らないよね。布自体は何かに使えそうだけどさ」と、リグは中にある物一つ一つを丁寧に取り出し、アンに見せていった。「大して面白いものはなかったんだけど……そうだ」リグは何かを思い出した表情を浮かべて、リュックサックの奥の方に腕を突っ込み、何かを探した。  しばらくして、リグは目当てのものを掬いあげる。それは銀色に輝くペンダントのようだった。ペンダントトップはハート形で、開閉が可能なロケットになっている。 「これも鞄に入っていたんだ。アンがつけても似合いそうだし、どうかな?」 「ハート……」  アンはリグからペンダントを受け取り、矯めつ眇めつした。 ハートの形をしたロケットが光を反射して煌めいている。見る角度を変えても光の位置が変わらないのを、アンは不思議そうに観察している。リグはそんな彼女らしい様子を見て微笑んでいた。
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