パーティー①

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パーティー①

久しぶりに榊原の家に来た。 入ろうか門の前で躊躇していたら庭にいたのだろう誰かがこっちに向かって来る。 「何やってるの?」と祖母の声。 「お祖母様、ごきげんよう。久しぶりです」 「元気でいた?」の穏やかな微笑み。 「はい、元気でいました」なんて会話をしながら母屋の方に向かうかと思ったら「こっちよ」と祖母が手招きする。 ついて行くと薔薇の東屋が出来ていた。 「驚いた?」と微笑む。 「ここでお茶しましょう」と言う 「エミは、君島のおさむさんとの縁談を受けたそうね」 「はい、小さな頃の私の願いを叶えてくれました」 「貴女は覚えていなかったんでしょ?」と微笑む。 そうなんだよね〜。 全く覚えてなかった。 「おさむさんから聞きました。」 「貴女はいいの?結婚しても」 「はい、お受けしようと思います。それを伝えに来ました」 「そう。それならこれを差し上げるわ」と出して来たのは大粒の真珠のネックレス。 「このネックレスは、私が嫁いでくる時に祖母から貰ったものなの。だから私からエミに」 「こんな大切なさ品を私に?」 私は、なんて言っていいのかわからなくて、ただ涙が後から後から溢れて来るのを拭うのも忘れていた。 「さあ、涙を拭いて母屋に行きましょう」そう言うと私の手を取り歩き出した。 「キミジマのパーティーに着るドレスの用意してあるの?」 「はい、おさむさんのお姉さんのサロンで全てお願いすることにしました」 「そう、楽しみね」 お祖母様も来てくださると言うので嬉しく思う。
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