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パーティー②
キミジマのパーティー当日。
朝からサロンで髪のセットやメイクやらで賑やか。
ここは別世界のようだ。
セレブ相手のサロンだから何から何まで高級品で揃えてある。
、
そこに正孝がケイトと悠斗を連れて入って来た。
それともう一人、金髪の綺麗な女性もいる。
ケイトの妹のジェシカと名乗った。
ジェシカは、私を睨むようにして立っている。
その横でケイトが不安そうな顔をしている。
これは絶対に私に対して何か言いたくているんだろうなぁ。と思っていたら案の定だ。
「あなたがおさむの婚約者?」と聞かれた。
答える前にケイトが「ジェシカやめて!」と声をかけてジェシカの腕を掴んだ。
この人は、おさむさんの彼女だった人かな?
その人がここに現れたと言う事は、今回の婚約に異議を申し立てに来たって事よね。
だったら受けて立つしかないわよね。
「そうです。私はおさむさんの婚約者です」と答えた。
「そんなの許せない!!絶対に認めない!!」と私に詰め寄ろうとしているのを「やめてジェシカ!!」とケイトは泣きそうな顔をしてジェシカを止めている。
「このドレスも宝石も何もかも私の物になるはずだったのに」と言うジェシカを、私は冷静に見ていた。
その時「やめないか」の声。
振り向くと、そこにはおさむさんが立っていた。
うわ〜この顔は怒っていますよね。
おさむさんを見たジェシカは、ケイトの腕を振り解き
「おさむ、会いたかった、なぜ私を置いて日本に帰ってしまったの?」と彼に抱きついて泣いた。
「僕は、君と付き合った事はない。言いがかりはやめてくれ」と、抱きついているジェシカの身を離した。
「ずっと一緒に働いていたじゃない。何処に行くのも一緒だったじゃない。あなたは私の事を愛していたんじゃないの?」と詰め寄る。
「愛していた?そう思わせたなら申し訳ない。一緒だったのは君が僕の秘書だったからだろ、それ以外の何者でもない」そう答えるおさむさんの顔はとても冷たい。
「僕は君も、君の父親にも日本に愛している人がいると話したはずだ」と私の肩を抱いた。
「今日は、キミジマの大事なパーティーなんだ。関係のない君は帰ってくれないか」そう言うとジェシカは現実を受け入れられないようで頭を振って叫び出した。
「嫌よ!!私はあなたを愛しているの。私と結婚してよ!!」と。
その時だった。
「パチーン」と大きな音がした。
ケイトがジェシカを殴ったようだ。
ジェシカは、殴られた頬を押さえて立ちすくんでいる、
「ジェシカいい加減にしなさい!!あなたが、おさむさんを好きだったなんて知らなかったから、お父様に2人の婚約の話をした私がいけなかったんだわ」
そう言って私を振り返る。
「エミ、私の妹が申し訳ない事をしてごめんなさい」と頭を下げて「連れて帰るわね」と小さく微笑んだ。
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