悠斗の戦略

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悠斗は早速、正孝を呼び出した。 家じゃケイトや家族がいるから話せないから個室のある居酒屋に。 「珍しいな悠斗が呼び出すなんて」と正孝。 「うん、ちょっと相談があって」と言うと「女か?」とすぐさま言われるが、まぁ確かに女は女だ。 「姉貴とケイトそんな事だよ。どうするつもりでいるの?」 「あ、そっちの話か」と苦虫を噛んだ顔。 「このままじゃダメだと思うよ。」 「確かにそうだけど、相手がエミだろ?どう扱っていいかわからないんだ」と天を仰ぐ。 「兄貴が、すまなかった。俺が勝手にケイトの言葉を推測してこうなった。ケイトは、あの部屋を欲しかったわけじゃなかった。許してくれ。ケイトとも仲良くしてくれ。って言えばいいんじゃないの?」 「そう言いたいが、俺やケイトを見つけると、エミは、俺達が居ないというような態度に出るから、話しかたくてもできない」 確かに、この間のパーティーでもそうだったなぁ。 ジェシカの事もあったし。 あの時、なぜか姉貴は冷静だったから揉めなくて済んだけれど。 あのまま揉めていたら婚約さえもなくなっていたかもしれない。 さて、どうしたら良いものか。 「兄貴としたらどうしたらいいと思ってる?」 「ケイトは、エミに嫌われていると思ってるから、そうじゃないって思わせたいし、家族として仲良くしてもらいたいと思ってる」 「で、何かいい案とか考えてないの?」 「ない」 おい、ないってなんだよ。 お前、自分の蒔いた種で奥さんが悲しい思いをしているんだぞ。 何か考えて行動したら、ここまでこじれなかったんじゃないのか?と言いたいのをグッと堪える。 「後、3ヶ月のうちに何とかしないと結婚式に呼ばれないかもしれないぞ」と脅してみる。 「ああ、それな。俺達の結婚式にエミは来なかったから、俺たちは呼ばれないかもしれない」としんみり言う。 俺は、驚いたね〜。 ここまで弱気になってるとは思わなかった。 「はぁ?榊原の長男夫婦を呼ばないなんて事があるか!!君島おさむの長年の友達だぞ?」 こいつは何というか最悪な兄貴だな。と付け加えたかった。 さて、どうしたらいいか。 この兄貴じゃ話にならん。 ケイトさんに、今の状況をどう思っているか聞きてみるかな。 そっちから攻めてるか。
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