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ケイトの気持ち
兄貴と話をしても埒が明かないのでケイトに声をかけてみた。
「あのケイトさんは、姉貴の事をどう思ってるの?」
ケイトは、それに対してどう答えようか考えているようだ。
結婚してからもう四年。
日本に来てから六年になる。
母や祖母との関係は良好に見える。
二人ともケイトを思いやって姉貴の事には触れないようにしているようだ。
「悠斗さん、エミさんについてどうと聞かれても、私としてはどう答えたらいいか」そう言って俯いた。
「なぜ姉貴が家を出たのかはわかっているんだよね?」と尋ねると、それは知ってると言う。
これについては、兄貴の早とちりでケイトには何も非がない。
「小さい頃から住んでいた部屋を、いきなり明け渡せと言われたら怒るのは当たり前。
自分だってそうなると思う。
正孝さんに、誤解を解いて欲しいとお願いを何度もしているけれど、もう少し待てと言うばかりで。いまだに何も進展しない。それにジェシカの事もあって、私はエミさんに許してはもらえないと思っている」と、今にも泣きそうな顔をしている。
全く兄貴の為体には腹が立って来た。
「ケイトさんは、姉貴と仲良くしたいと思ってる?」
それに対しては「当たり前です。私に日本の妹ができると思って嬉しかったし仲良くしてもらいたいと思っています」と即答された。
だよなぁ。
それを聞いたら、ますます何とかしてあげたい。
兄貴には勿体ない人だと思う。
う〜ん、どうしようか。
俺が姉貴に聞いてみようか。
それとも、おさむさんに、姉貴がケイトさんの事をどう思っているか聞いてもらうか。
その場合、結婚式の招待客を引き合いに出してもらえばすんなり話が聞き出せるかな?
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