116人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
おさむさんに連絡を取り話をする事にした。
個室のある居酒屋に来てもらったが、兄貴も一緒だとは思わなかった。
「悠斗くん、話ってなんだい?」と、俺の戸惑いをよそに穏やかに聞く。
「姉貴とケイトさんの事で」と言葉を濁す。
なんで兄貴も一緒なんだよ。
自分のしでかした事もおさめられないのに。
じっと見つめる俺を申し訳なさそうにしている。
まったくもう。
「話は正孝聞いているよ」
「おさむさんから姉貴に、ケイトさんの事をどう思っているか聞いてもらえないですか」そう尋ねる。
「エミはケイトさんの事を嫌ってはいないよ。エミが家を出たのは他に原因があると思う」
「他に?」
「そう、エミは正孝から部屋を開け渡して欲しい。と言った時になんて言ってた?」そう兄貴に尋ねた。
「何で?私が小さい頃から使っている部屋を開け渡さなきゃいけないの?と言ったよ。」と答える。
「ケイトがあの部屋が明るくて素敵ね🎵って言ったんだ。誰も知り合いがいなくて日本に来るから、部屋だけでも本人の希望を叶えてあげたいと思ったんだ。」
「姉貴はそれが納得できなかったんだよな?」
「そう。部屋なら他にもあるでしょ?って言って断られたよ」
「その時に、誰か間に入ったりしなかった?」と聞いたのは、おさむさん。
「ああ、母が「いいじゃないの。エミはいずれお嫁に行くんだから部屋を空けてあげなさいよ」と言ったんだ」
「その時に姉貴はどうした?」
「お母様はいつもそう。お兄様の肩ばかり持って私が大切にしているものとかお構いなしに奪って行くわね。って激怒したんだ」
「じゃあ、兄貴に怒ったんじゃなくて、お母さんに激怒して家を出たんじゃないか!!」
俺は呆れたね。
それなら話は変わって来るんだよ。
全く何でそれを言わない!!
これはケイトが云々じゃない。
仕切り直しだ!!
最初のコメントを投稿しよう!