ケイトの気持ち

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居酒屋に入ろうとしていたら、「悠斗」の声。 振り向くと姉貴が、おさむさんを伴ってやって来た。 「こんばんは。私も来てしまいました」と、いつものようににこやかな笑顔だ。 ま、確かに俺と姉貴だけだと話にならないかもしれないしな。 「とりあえず早く入ろうよ🎵」 お腹すいた〜だとか言いながら一人先に入って行く。 「ビール」と言うので、ビールと焼き鳥を頼む。 焼き鳥を食べながら、聴くことを聞けと、おさむさんが合図を送ってくれるが、何から話せばいいか迷う。 「なあ、姉貴はケイトさんの事をどう思ってる?」 「ん?別に何とも思ってないわよ?」と焼き鳥を食べてる。 「でもさ、部屋の事で揉めて家を出たんじゃないの?」 「え?私はケイトさんには合ってないよ?」 「だからさ、ケイトさんが姉貴の部屋がいいって言ったから揉めたんじゃないの?」 「あー、あれはねぇ。お兄様の何でも言う通りにする、あの人にムカついたから家を出たのよ」とグビっとビールをあおぐ。 「え?じゃあさ兄貴とケイトさんの結婚式に出なかったのはなぜ?」と聞いてみた。 「だっさいドレスをお手伝いさんに持たせて、これを着て式に出ろって言われたのよ。冗談じゃないわよ!!」ドン!とテーブルを叩く。 「それで出なかったのか?」と、おさむさんが聞いた。 「部屋の事で揉めた後だったし、気持ちも落ち着いてなかったから、お祝いする気持ちもなかったのよ」と姉が言う。 「あのさ、ケイトさんが姉貴の部屋の事で、ずーっと悩んでんだぞ?」 「お兄様には、私は家を出るから好きなように使って。って言って家を出たよ?」とあっけらかんと言うではないか。 「じゃあ、何でケイトさんを無視するような怠惰なんだ?」イライラしながら聞いた。 「無視?してないけど?」と、姉貴はそう言うが無視してるだろ!! ヒートアップしている俺の代わりに、おさむさんが姉貴に提案した。 「じゃあエミ、近いうちにケイトさんと正孝と悠斗君と食事でもしたらどう?」と。 ありがとう。おさむさん。
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