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マンションにて
おさむさんのマンションに戻り、ソファーに座ると窓から満月が見える。
「ねぇ、おさむさん」
「何ですか?」おさむさんは、パソコンでメールのチェックをしているようだ。
「私って意地悪ですね」私は、それを見ながらつぶやいた。
「何に対してですか?」
「ケイトさんに対してもお兄様に対してもです」
「そう思うんでしたら、会った時に謝れば良いんですよ」と穏やかな笑顔を向けてくれた。
「そうですね。そうします」
そんな会話をしているうちに眠くなって来た。
「エミ、そこで寝たらダメです」と、おさむさんの声が遠くに聞こえる。
おさむさんの声が好き。
「エミ、ベッドに行きますよ」
「はー---い」おさむさんにお姫様抱っこされて部屋を出た。
次の朝。
あれ?ここは?ん?
私服を着ていない。
キャミとショーツで寝てる。
私は、恐る恐る寝返りをうってみた。
そこには上半身裸の男の人が寝ている。
この人、おさむさんだよね。
うふふ、初めて見た寝顔。
素敵。
そっと唇に触れてみた。
いきなり抱きしめられ「エミ、我慢の限界です」
「起きていたんですか?」
「ええ、エミが起きる少し前から起きていましたよ」と、にっこり。
「あの、おさむさんが服を脱がしてくれたんですか?」
「他にいませんが」と、いたずらっ子のような笑顔。
そ、そうですよね。
私は恥ずかしくなって、そっと腕から逃れようとしたが、そのまま抱きしめられてしまった。
「おさむさん」
「エミ」
そっとキスをして、私もいよいよと思っていたのに。
ーーピンポーーーンーー
え?こんな朝早く誰が?
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