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俺が「なぁ」と口を開きかけた瞬間、翔太のとんでもない爆弾が投げられた。
「俺、神林さんのこと、好きなんで」
「は?」
(聞き間違いか? 今こいつなんて)
汗の浮かんだ額に真っ直ぐの眉が吊り上がる。
「追っかけます。これからずっと」
翔太はそう続けて俺の爪に唇を付けた。そして俺の手のひら越しに視線を向けてくる。
「神林さんのストーカー」
「お、お、お、お前……」
一気に顔が赤くなった。ストーカーってなんだよ、俺のストーカーって。馬っ鹿じゃねぇの?
突然の告白にぐちゃぐちゃな思考回路の中、翔太の赤い唇がニヤリと持ち上がった。
「そうですね。神林さんが俺のことを追っかけてくれれば、ストーカーにならずに済むかもしれませんけど」
「ばっ! 馬鹿野郎! ふざけんな!」
「ふざけてません。至極真っ当です。俺、神林さんのこと好きなんス」
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