俺の栄養素

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「ちなみに昨日は何食ったんですか?」 「昨日?」 「そうです。昨日の晩」  真っ直ぐ太い眉が吊り上がり、その下の瞳が俺を見ている。視線でさえ遠慮が無い。それは俺の腹の薄さどころかその中まで見透かしているようで、居心地悪く視線を逸らした。フロントガラスの向こう、駐車場に入ってくる配送トラックが見える。 「うーん、そうだなあ」  何食ったっけと顎を撫でると、「昨日ですよ、昨日。嘘でしょ。覚えてないんですか?」とこれまた失礼な感想を寄越してくる。分かってんのか。これでも五つは歳上だぞ。 「そんなもんだろ。特別何したって訳じゃねぇし」  俺だって出掛けたとか誰かと一緒にいたとかなら覚えている。けれど昨日は何てことはない普通の日。面倒くさがって近所のコンビニに行っただけ…… 「あ、そうだ。キュウリ食ったな。あと餃子」  コンビニで酒のつまみになりそうなものをってことでキュウリのキムチみてぇなピリ辛の奴と餃子を買ったんだった。
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