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「いえ。大事なことです。じゃあ、今日は俺と夕飯ってことで」
「ぶっ! おい。俺の話聞いてたか?」
コーヒーを危うく吹き出しそうになる。今までのやり取りをどう繋いだら二人でメシに行く話になるんだ。
「あ、もうこんな時間ですよ。そろそろK社に向かいましょう」
何事もなかったかのように正面に向き直った翔太は、ブルルンとエンジンをスタートさせた。静かだった社内にナビの機械音声が再生される。
(別に暇だから良いけどよ)
シートベルトに手を伸ばしガチャリと嵌めた。運転席の横顔はどこかニヤニヤと楽しそうだ。
(しかたねえ付き合ってやるか)
美味い酒が呑めればなんだって良い。だろ?
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