20人が本棚に入れています
本棚に追加
「優花ちゃんのお兄ちゃん、カッコいいよね」
優花は、そう言われるたびに当たり前だと胸を張った。
顔が良くて、スタイル良くて、そして優花に対してはすごく優しい。
他に女子には少々冷たい部分はあったが、そこもまた優花にとっては嬉しい部分ではあったので、問題になんてならなかった。
少々行き過ぎでは…?と言われる事もあったが優花は気にせず「お兄ちゃん大好き!」と、むしろ堂々と言い切るのがかえって清々しいほどだった。そして、周りの男子には透の側だと本当に可愛い表情をする優花が密かに人気になっていたのだが…透しかほとんど見てない優花は知るよしもなかった。
ちょっと仲が良すぎる兄妹。
しかし、安定しているように見えて、本当は危ういバランスの中で成り立っていたのだ…と、気づき始めるのにそう時間はかからなかった…。
最初のコメントを投稿しよう!