ヒーローの証明

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 荒涼とした大地に降り立ち、俺は周囲を見渡した。  ひび割れた大地から伸びる枯れた草木は、まるで干からびた死者の手のように揺らめいていて不気味だ。  呼吸はできる環境らしく、俺はヘルメットをとった。  背後には、墜落して炎上している宇宙船がある。携帯食料や水もあの炎の中だ。 「腹減った」  全身から力が抜けて、俺は乾いた大地に寝転がった。  生命が滅びつつある星で、俺はたったひとり遭難していた。  まだ燃えていない宇宙船の中から携帯通信機を見つけた。まだ使えるかもしれない。 「こちら、ナージ! 遭難者一名! 至急、救助を頼む!」  スイッチを押して通信を試みるが、ザーと耳障りなノイズ音だけが響き、やがてブツッと音を立てて沈黙した。 「くそっ、修理しないとだめか」  通信機を修理するまで救助は期待できないし、その間は食料と水を現地調達しなければならない。  俺に残されているのは、水筒の中のわずかな水だけ。額に冷たい汗が浮かぶ。  その時、脳裏に「パパ」と呼ぶ声が響いて、首を横に振った。 「こんなところで、あきらめてたまるか」  俺には絶対に帰らなければならない理由がある。
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