あたしのヌネガン食べたでしょ

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 全然何も引っかからない。「ヌネガン」で間違いないかを、改めて聞くのが怖かったから、スマホの検索画面をミホに見せてみた。 「ヌネガン……ないけど……」  ミホはきょとんとした顔になり、自分のスマホで検索し始めた。 「え? え?」と言いながら、必死にスマホを操作している。 「何かの聞き間違いじゃない? 新しい商品名とかの……」  恐る恐る尋ねるが、スマホを見続けるミホ。 「何これ? どういうこと? 何なの?」  ミホの態度は、勘違いにしては何かおかしい。真剣だ。一時的な記憶障害とか、言語障害とかいうやつではないかと、ちょっと心配になってきた。 「何でヌネガン見つからないの? スマホがおかしいの? それともあたし?」  ミホはもう顔面蒼白だった。 「一回落ち着こう。ミホが買って冷蔵庫に入れていたのは、ケーキとかプリンとかのデザートみたいなもの……でいいのかな」 「うん、まあ……、デザートだけど、ヌネガンはヌネガン。ヌネガンケーキとか、ヌネガンプリンとかは、たまにあるけど……。とにかくヌネガンが検索できないなんてありえない」  やっぱりわからない。何と間違えているんだろう。 「えーん……、春限定のストロベリー・ヌネガン買っておいたのに~」  ミホは泣き出してしまった。 「よしよし」  俺はミホの横に座り、頭を撫でてなぐさめた。 「あとで、コンビニに行ってみよう。何か思い出すかも」 「うん」  ミホはこくりと頷いた。
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