プロローグ

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プロローグ

「ねえ、美海(みう)ちゃん……俺と付き合って!」  それは私が高校生になったばかりの年のこと。  入学式が終わりクラスに馴染み始めた頃の4月下旬。  校舎から少し離れた場所に人気がない場所がある。  そこは、私が通う静葉(せいよう)高校の敷地内であり、校舎は見えるが校舎からは見えない場所。  私のすぐ傍には大きな1本の桜の木がある。  私の目の前には1人の男の子。 「えっと……それは……」  私の理解が追いつかない頭に彼は続けて言った。 「美海ちゃん、俺と付き合って!……入学式の日さ君に一目惚れしたんだよ……嘘じゃないから!」  入学式の日に一目惚れなんて、あっても一軍女子と一軍男子の話だと思っていた。  もしくは、アニメや漫画のような―。
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