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オニババのモンスターがり
3月32日 天ようび すなあらし
今日、ぼくはオニババにつれさられた。
オニババは、ぼくを船に乗せ、モンスターが住むという島につれていった。
船をおりて、少しばかり歩くと、そこには、おしろがあった。
いかにもモンスターが住んでいそうな、ぶきみなおしろだ。
オニババは、ぼくの手を引っぱって、おしろの中に入っていった。
「うぉおおおおおぉーんっ!」
「ぎゃあああああぁーっ!」
「きぃええええええぇーっ!」
たくさんのさけび声が、うるさくひびいていた。
このようすだと、モンスターがうじゃうじゃいそうだったけど、オニババは、そんなことを気にすることなく、ぼくをつれて歩いていった。
やがて、モンスターのむれが目の前にあらわれた。
やつらは、にんじんやだいこん、かぼちゃなどのやさいに目、鼻、口、手足と、こうもりみたいな羽がついたようなすがたをしていて、手につるぎややりなどのぶきを持っていた。
「見ろよ」
「人間だぜ」
「えものだ、えもの」
「でもよ、オニがいるぜ? どうするよ」
モンスターのむれが、ぼくたちを見て、いろんなことを言っていたけど、オニババは何も言わずに、おそいかかった。
「うわーっ!」
「何をするー!」
モンスターたちは、さけびながらていこうするも、オニババはびくともしなかった。
オニババは手にしたおりの中にモンスターたちを次々と放りこんでいった。
モンスターたちは、みんなつかまった。
オニババが、やさいがたモンスターをほかくしてから、あまり時間がたたないうちに、べつのモンスターがあらわれた。
ぬっぺふほふという、肉のかたまりに手足がついたやつだ。
さっきのやさいがたモンスターのように、どうたいが顔に見えたけど、それが顔なのかどうかは、はっきりとはわからなかった。たんに、しわが顔のように見えただけかもしれない。
今度もオニババは、おそいかかった。
ぬっぺふほふは、何もできずにとらえられてしまった。
こうして、オニババはモンスターをたくさんほかくして、ぼくといっしょに自分のすみかにつれていった。
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