0人が本棚に入れています
本棚に追加
ブルルルル…ブルルルル…ブイォーン
弱く萎れた身体を、更に踏まれて、僕は泣きたくなった。バイクや車は、僕を踏んだ事に気づかず、通り過ぎていくんだ。だから罪悪感も無いし、この苦しみも知らないだろう。
「あーあ、僕はどうして生きてるんだろう」息苦しい胸の中で、そんなことを考えていると、2人の少年がこっちに走ってきた。「あ、踏まれる…」そう思いながら、ぼーっと見つめていたのに、2人は目の前で止まって、僕を覗き込んできた。「ねぇお兄ちゃん、このお花さん可愛い!」「本当だね」「でも元気ないよ…」「ここは車が通るからねぇ…。みんな気付かずに踏んじゃうのかも。でもきっと大丈夫、この子はね、僕たちに元気をくれるために、こんな所でも頑張って咲いてくれてるんだ。だから、暫くしたらきっとまた、強く咲いてくれるよ」「そっか!良かった!」そんな会話をしながら、2人は顔を見合わせて笑い合った。その笑顔が僕に、元気をくれた。
最初のコメントを投稿しよう!