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歯医者からの帰り道、生肉を購入するべくスーパーに寄る。虎に与えてみるためだ。肉のほかにも何かないかと棚を5周したがピンとくるものがない。私の好きなもの。わからない。
結局、牛肉と豚肉を適当に、それと自分用にプリンを買ってスーパーを後にした。なんだか、疲れ果てた、という感じがした。
結論だけ言うと、生肉は無駄になった。皿が2枚犠牲になり、部屋の床が肉の血と油と、何より虎の唾液で汚れただけだ。
その上、奴は夜半から明け方までリビングから寝室にかけてを歩き回り、荒い息を撒き散らして苛立ちを表明してきた。おかげでこちらも30分ほどごく浅い睡眠しか取れずに朝を迎えた。歯を失った顎の穴が痛む。
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