悪夢のエイプリールイヴ

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 休日なのに特に予定がなく、昼間から自宅で酒を飲んでいた。缶ビールを三本飲み終えたころ、友人の田村から、今から遊びに行っていいか? 連絡が来た。僕は、酒とつまみを買ってきてくれるなら、と返事をすると、三十分くらいで着くと田村が答えた。  四本目を飲んでいる時、田村にちょっとした悪戯をしてやろうと思いついた。  六本目を開けたころ田村がやってきた。僕はよろけながら玄関へ向かい、田村を迎え入れた。 「よう、相変わらず飲んだくれてるな」コンビニの袋を片手に田村が笑った。 「まあな、でも今日は彼女が来ているんだ」 「マジで。出来たんだ。彼女」 「ああ、出来た。ついに出来た」 「いいのかよ、俺、来ちゃったけど」 「いいんだよ。紹介しようと思ってたし。まあ、あがれよ」  僕は田村を招き入れ、リビングのソファの上に置いているクマのぬいぐるみを指さし、 「俺の彼女、ゆかり」  田村が唖然とした後、呆れたように笑い、 「お前、ついに狂ったか?」 「何が?」 「ぬいぐるみじゃねえかよ」 「お前、初対面で失礼だろうが、なあ? ゆかり」 〈いや、大丈夫。全然〉僕は裏声で言った。
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