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「だから今日は何月何日だ?」
「三月三十一日だろ?」
「それは昨日だろ?」
そんなはずはなかった。今日は間違いなく三月三十一日のはずだ。僕はスマートフォンで確認した。三月三十一日と表示されていた。
「いや、今日が三月三十一日だろ?」
「違うよ。今日は四月一日だろうが」
僕は再度スマートフォンを確認した。間違いなく三月三十一日と表示されている。どういうつもりなのだろうか。もしかして田村も酔っぱらっているのだろうか。考えようとしたが、すぐにどうでもよくなり、
「四月一日なら嘘ついてもいいじゃねえか。エイプリールフール!」
「にしてはやりすぎだろ」
「悪い悪い」
「てか、それ本物か?」田村がゆかりを指さして言った。
「何が?」
「本物みたいだな。それ、マジの死体みたい」
「何言ってんだよ。ぬいぐるみだよ」
「ぬいぐるみって、まあ大きく分けたらそうだろうけど、リアルすぎるだろ。ちょっと腐った臭いもするし、どこで手に入れたんだよ?」
「昔、親に買ってもらったんだよ。俺、これがなかったら眠れないんだ」
「趣味悪すぎるだろ。女の死体の人形なんて」
「何言ってんだよ。くまのぬいぐるみじゃねえかよ」
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