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サメに齧られ、手足が無くなっていくのは、すぐには死ねずに痛そうだから、いっそ、頭から一気にいって欲しいと、修は密かに願った。
しかし、サメは来なかった。
けれども、仰向けに浮いている修の背中に何かが当たったのだ。
例えば、ダイバーなどの人間に慣れたイルカが、修を浜まで運んでくれて、助けてくれるなんて事があるかも知れないのではないだろうか。
しかし、じっとしている修の背中にそっとまた触れたのは、イルカのゴムのような皮膚ではなく、それはまるで、女の乳房のような感触だったのだ。
驚いて修は、立ち泳ぎの体勢になった。
するとどうだろう。
暗い海の海面から、少女とも言える若い女が顔を出したのだ。
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