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ある日、一人の人間が出会った機械人形は、
己の欲のために自分を玩具のように扱う男に対して従順で、
そんな男に身も心も捧げて尽くす美しい存在でした。
欺き続けた男の心は、暴かれその真の姿を映し出し、
自身の想いに向き合い、優しく抱きしめます。
それは、純愛と呼べるような、真っ直ぐに注がれるもので、
狂気じみた独占欲で、手離すことはあり得ません。
自分が、名付け親だと語らず。
自分が、先に好きになっていたと伝えず。
ただただ、一途に、
ずっと、この恋が永久に続くようにと願いを込めて、
贈り物を愛しい機械人形に捧げます。
カリフォルニアポピーの花束を。
Fin
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