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意味深にウインクまでしてくる烏丸壮に鳴はイケメンの破壊力と思ったが、暁斗を推しているのでなびかなかった。
「はい、では“とりまるさん”で」
笑顔で返す鳴。壮はあれー?と何にもドキリともしない鳴に肩をすくめたが、反対に鳴はまじまじと目の前の男性を見つめる。見れば見るほどかっこよかった。
すらりとした体躯で黒いスーツに黒いワイシャツに白いネクタイを身につけている壮。耳にかかる程度の黒髪に色白で、整った顔立ちに三白眼がこれまた魅力的だった。
両耳のシルバーピアスがゴテゴテしていたりと派手な印象もあるが、黒い色が主だからか全体的に大人っぽい雰囲気を醸し出している。
服装から伸びる手足の長さを見ても彼のスタイルの良さが分かるからだろう。
鳴は自然と推しの暁斗様を目の前の男性と重ねた。……暁斗様の方がやはりキュンレベルが致死量だとも思い一人うんうんと頷く。
「あの、先日は助けてくれて本当にありがとうございました」
「ううん。なんともなくて良かったね」
「はい!あの……とりまるさんはどうしてここに?」
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