夢の捨て方

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 ピピッ、ピピッと機械的に鳴り響くアラームの音に目が覚めた。久しぶりによく眠れた気がする。 「今日は早番……。やだな、仕事きついし辞めたい」  するりと口から出た言葉に京香は目を瞬かせた。 「そっか、辞めるって手もあるんだ」  鉱石が好きだからという理由で就いた仕事だが、それが仕事を辞めてはいけない理由にはならない。鉱石が好きでも仕事がいやなら辞める理由になるはずだ。 「いまは繁盛期だからそれが終わってから辞める相談をして……。今度は土日休みの仕事にすれば学生のときみたいにミネラルショーにも行きやすくなる!別の業界に転職してもいいはずだし」  頭にかかっていたもやが晴れたように次々と考えが浮かんでくる。すっかり覚めた頭でこれからのことを考えていく。それでも今日は仕事に行かなければとベッドから降りた。その拍子にグーとお腹が鳴る。 「お腹空いたな。……あ、昨日買ったコロッケがある。冷凍庫に食パンがあったはずだからコロッケサンドにしよう」  わくわくとしながら京香は冷凍庫を開けた。
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