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2. リーテル、お菓子の家をみつける
これはまだ『腹ペコ子ども食堂』ができる少し前の話だ。
*
口にふくんだ甘味と幸福が想像できるような砂糖の香りに、焼きたてのフィナンシェからバターがジュワリとにじむ食感を思い出す香ばしい匂い。
ふってわいた嗅覚への刺激は、限界だと立ち止まった足をもう一度動かすには十分すぎるくらいだった。
鼻に届く匂いが濃くなり折れかけていた心が蘇ってくる。
深緑の草をかき分けた先に、森では見ることのないにぎやかな色合いの家が現れた。
「あった!」
(おばあちゃんが言ってた通りだ!)
リーテルはぴょんと飛び跳ねた。
「お菓子の家、見つけた!」
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