67人が本棚に入れています
本棚に追加
所詮高校生の穴だらけの推理では、真犯人になんて到底行き着けない。その時の皆は、被害者の体に残されていた“13の刺し傷”のことさえ、ただ犯人が相手のことを強烈なまでに恨んでいただけのことなのだろう______と思うだけで、それに特別な意味があるとか、そういう風には一切考えていなかったことだろう。
きっとこの光景を見て、真犯人は笑っているのだろう。この犯罪は、たくさんのところに謎を散りばめていた。誰にも解けない。それがたとえ、どんな“名探偵”だったとしても______。まるでそれを証明するかのように、警察の捜査は難航した。そして決まって、その報せは“彼”のところへ届く。札舞市中央署が絶対の信頼を置くあの男______。“左門寺究吾”のところへ______。
最初のコメントを投稿しよう!