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旅行
「あー、眩しい!もう目を開けていられない!」
そう言って半分目を閉じる亜由美に、瞳子は苦笑いする。
「指輪もキラッキラだけど、瞳子さんのオーラもキラッキラ!目がくらんじゃう。ダメだわ、サングラスがいる」
おもむろに胸元に差していたサングラスをかけると、これでよし、と真顔で呟く。
「何やってるのよ、亜由美ったら」
そう言って笑う千秋も、確かに眩し過ぎるわ、と頷く。
「冴島さん、女性に興味なさそうなクールなタイプに見えたけど、まさかこんなに一途に瞳子を大事にしてくれるなんて。ううん、そうさせたのは瞳子なのよね。良かったわね、おめでとう!瞳子」
「ありがとうございます」
瞳子は改めて千秋に頭を下げた。
「千秋さん、これまでいつも私を心配してくださって、本当にありがとうございました。普通の幸せを諦めて生きてきたけれど、私はもう大丈夫です。少しずつですが、過去のトラウマを克服して、必ず幸せになります」
千秋は思わず目を潤ませる。
「良かった、本当に良かったわ。瞳子には誰よりも幸せになって欲しいと思ってたから。私ではどうしても救ってあげられなかったけど、冴島さんがいてくれるなら何も心配いらないわね。幸せにね、瞳子」
「はい」
瞳子は笑顔でしっかりと頷いてみせた。
「瞳子さん、マダムになっても一緒にランチしてくださいね?」
「もちろんよ、亜由美ちゃん」
「でも寂しくなるなー。お仕事は辞めちゃうんでしょ?」
「ううん。出来る限りここでのお仕事も続けていきたいと思ってるの」
「そうなんですか?やったー!」
亜由美は途端に嬉しそうに顔を輝かせる。
「じゃあこれからも、たくさん私とデートしてくださいね!ふふっ、楽しみー!」
次はどこに行こうかな?と考え始める亜由美に、瞳子は千秋と顔を見合わせて笑った。
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