雪の芸術

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12月15日、いよいよアートプラネッツの新ミュージアム【六花〜雪の芸術〜】プレオープンの日がやってきた。 瞳子は朝から事務所で千秋と一緒に準備をしながら、早くもワクワクが止まらない。 「あー、楽しみ!大河さん、完成作を見せてくれなかったんですよね。だから私も見るのは今日が初めて。綺麗だろうなあ、雪の結晶!」 「ふふ、瞳子ったら。興奮し過ぎてセリフ飛ばないようにね」 「千秋さんがいてくれるから大丈夫!その時はお願いしますね」 やれやれと千秋は呆れたように笑った。 時間になり、二人は会場へと移動する。 今回は表参道にあるイベントホールを借りての開催だった。 「わあ、クリスマスムード満点ですね」 街は至るところにイルミネーションが飾られ、夜にライトアップされればさぞロマンチックな雰囲気だろうと、瞳子は胸を弾ませる。 「あら、会場も素敵な装飾ね。ホワイトクリスマスって感じで」 エントランスに足を踏み入れた千秋は、シャンパンゴールドとパールホワイトの二色使いでまとめられた内装をうっとりと見渡す。 「千秋さん、先に控え室に行っててください。私、少しだけ皆さんのお手伝いしてきます」 「はーい、行ってらっしゃい。アートプラネッツの瞳子さん」 千秋はおどけて、ヒラヒラと瞳子に手を振ってみせた。
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