雪の芸術

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隣の小ホールに行くと、細部まで忠実に再現された色々な形の雪の結晶が、あちこちに浮かんでいる。 その1つにそっと手をかざすと、詳しい説明文が現れた。 (あ、これって…) それは瞳子が大河に渡した資料に書かれていたものだった。 (大河さん、採用してくれたんだ) 嬉しさにふふっと笑ってから、瞳子は1つ1つじっくり見て回った。 子ども達に人気のお絵描き投入エリアは、クリスマスのテーマで大きなツリーの映像だった。 皆、思い思いにプレゼントやサンタクロース、トナカイの絵を描いている。 このエリアは、クリスマスが終わると新年の富士山の映像に、そのあとはバレンタインデーに向けて、恋人達が愛のメッセージを投入出来るように様変わりする予定だった。 (みんなの笑顔が溢れて、幸せな空間だな。私、改めてアートプラネッツのミュージアムが大好き!) 瞳子は1人、幸せな気持ちで大河達の作り出す世界観に身を委ねていた。
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