悲しい告白

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『洋平、そっちの準備はどう?』 インカムから透の声がする。 『準備OK。吾郎は?』 『こっちも大丈夫だ』 『よし。じゃあみんな一旦、噴水広場の前に集まって』 『了解』 瞳子と大河が待つ広場に、3人も戻ってきた。 日が傾き始めた夕刻。 広場の前には観客席が設けられ、テーマパークのスタッフが着々と準備を始めていた。 「えっと、正面はここだ。時間になったらパーク側が一斉に照明を落とす。パーク内に流れる音楽に、うちの映像とファイヤーワークマンの花火がコンピュータで既にリンクされている。音楽のスイッチを入れるだけで、あとは何もする必要はない。ただ、何かの不具合でリンクが切れた場合は、手動で映像を合わせて流す」 分かった、と皆は透の言葉に頷いた。 やがて完全に日が暮れ、パーク内のあちこちにクリスマスのイルミネーションが輝き出す。 (わあ、綺麗…) 瞳子が見とれていると、いつしか周りにはカップルの姿が多くなってきた。 スタッフジャンパーを着て、瞳子は客席へと誘導する。 それぞれ配置に着いたメンバー同士、インカムでのやり取りも増えてきた。 『透、客席が埋まって噴水の左右に人が溢れてきた。人はけした方がいいか?』 『そうだな。そこに立たれると客席からショーが見づらくなる。地面にテープでバミリしてあるから、その位置は避けてもらってくれ』 『了解』 聞こえてきた大河と透のやり取りに、瞳子も目印のテープを見ながら、立っている人に声をかけて場所を空けてもらう。 『本番5分前。各自、最終チェック頼む』 『洋平、噴水正面エリア、問題ない』 『吾郎、噴水右側OKだ』 『瞳子です。噴水左側も大丈夫です』 『よし。透、映像の方はどうだ?』 『良さそうだけど、スタートさせてみるまで分かんない』 『はは!ま、そりゃそうだな』 大河が軽く相槌を打ち、思わず瞳子も笑ってしまう。 何があっても大丈夫。 皆でフォローし合って乗り切れる。 不思議とそんな気持ちになった。
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