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年明けのおめでたい雰囲気はあまりないまま、アートプラネッツのオフィスでは、変わらず4人がそれぞれの仕事をこなしていた。
表参道のミュージアムは好調で、バレンタインデーが近づくにつれて客足も伸びていく。
最終日のクロージングセレモニー。
その司会は、やはり瞳子と千秋に任されていた。
事前打ち合わせの為、3日前に二人はアートプラネッツのオフィスを訪れる。
「アリシア!久しぶり!元気だったかい?」
ドアを開けるなり、透は満面の笑みで瞳子を出迎える。
「まるで留守番してた子犬だな」と吾郎が呆れた声で言う。
「透さん、皆さん、お久しぶりです。今年もよろしくお願い致します」
「こちらこそ、よろしくね。さ、入って」
「はい」
オフィスに足を踏み入れた瞳子は、懐かしそうに辺りを見渡す。
「今、コーヒー淹れるね」
「いえ、私がやります。透さんは座っててください」
思わずキッチンに行こうとすると、洋平が笑った。
「瞳子ちゃん、今日はお客様だよ」
「あ、そうか」
照れたように笑う瞳子に、洋平も吾郎も笑みを浮かべる。
ただ一人、大河だけは固い表情のままだった。
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