寂しさを抱えながら

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「それで、これがセレモニーのタイムスケジュールね。特にいつもと大きな違いはないかな?強いて言うなら…」 そう言って洋平は、資料をめくって見せた。 「次回のミュージアムの予告映像。実は次のミュージアムは、海外で開催する予定なんだ」 ええー?!と、瞳子は千秋と共に仰け反って驚く。 「海外ですか?!」 「そう。パリで新進気鋭のアーティスト達を集めて開く、期間限定の催しがあってね。そこに招かれたんだ」 「パリ?!すごい!」 思わず瞳子は千秋と手を握り合って喜ぶ。 「やっぱりね!近々海外にも進出するんじゃないかと思ってたのよ」 「そうですよね。千秋さん、前にそう言ってましたものね。わー、本当にすごい!おめでとうございます!」 興奮気味の二人に、洋平達も笑顔で礼を言う。 「ありがとう。お二人のサポートのおかげです。そういう訳で、次回のミュージアムの予告映像は、ほんの少しだけ流すことになるんだ。その点がいつもと違うかな?」 「分かりました。わあ、楽しみですね!」 「うん。まあ、俺達は作品作りに必死で、あまり手放しで喜んでる暇はないんだけどね」 「そうか、そうですよね。パリで開催なんて、世界中から注目集めますものね」 「うっ…、瞳子ちゃん。あんまりプレッシャーかけないでね」 「あっ、ごめんなさい!でも皆さんなら、絶対に成功しますよ。アートプラネッツの作品は、日本が誇る技術ですから。海外でも必ず称賛されます」 「と、瞳子ちゃん。それもプレッシャーだよ」 「ああっ!ごめんなさい!」 瞳子が慌てて謝り、皆は、あはは!と笑い合う。 その中心で誰よりも嬉しそうに笑う瞳子に、大河は胸が締めつけられた。
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