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「ハッピーバースデー!」
ドアを開けた瞬間、クラッカーがパンパン!と鳴って、瞳子は、わっ!と驚く。
誕生日当日。
仕事を終えた足で、瞳子はアートプラネッツのオフィスを訪れていた。
「おめでとう!アリシア。さ、入って」
「ありがとうございます。あー、びっくりした」
瞳子は胸に手を当ててひと息つくと、満面の笑みで皆に挨拶した。
「皆さん、今日は私の為にありがとうございます」
「お礼を言うのはこっちだよ。うるさい透の誘いにつき合ってくれて、ありがとね、瞳子ちゃん」
そう言って洋平が瞳子をテーブルへと促す。
中央の丸テーブルには、所狭しとパーティーメニューが並べられ、瞳子は目を輝かせる。
「美味しそう!ホテルのビュッフェみたいですね」
「そうなんだ。去年、アリシアの誕生日をお祝いしたホテルでオーダーしたんだよ。あの時は楽しかったね」
透が思い出したように目を細める。
「ふふっ、そうですね。皆さんの仮装がとっても面白くて。あの時の写真、今でも時々見返して笑っちゃいます」
「へえ、そうなの?俺もだよ。アリシアがとびきり美人でさ。あ、もちろん今夜もね」
「ありがとうございます。それにしても、1年って早いですね」
二人で語り合っていると、吾郎が皆にグラスを配り始めた。
「ほら、まずは乾杯しよう。瞳子ちゃん、26歳おめでとう!」
おめでとう!と皆はグラスを掲げ、瞳子はまた笑顔でお礼を言った。
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