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「大河さん、おはようございます!」
2日後。
瞳子のマンションまで車で迎えに来ると、エントランスから笑顔の瞳子が現れた。
淡いブルーのクロップドパンツに、七分袖のジャケットを軽く羽織ったその姿は、抜群のスタイルの良さでどう見てもモデルにしか見えない。
「おはよう。どうぞ」
大河が助手席のドアを開けて促す。
ありがとうございます、と言って乗り込むと、瞳子は早速運転席に回った大河に話しかけた。
「大河さん、今日はどこに行くんですか?」
「ん?君の行きたいところならどこでも」
「じゃあ…、美術館とショッピングでもいいですか?それとも、公園?」
うぐっと大河が妙な声を出す。
「いや、公園は大丈夫だ」
「ふふっ。それならまずは美術館にしましょ!」
早速、都内の美術館を目指してドライブする。
「今日は大河さんだけお休みなんですか?それとも皆さんも?」
「ああ、みんな休みにした。たまにはそういう日も作らないとな」
「そうですね。皆さん、今日は何してるのかなあ」
「吾郎はひたすら寝てるだろうな。洋平は、昼間からワイン飲んで映画でも観てるかも。透は絶対にゲームしてる」
あはは!と瞳子はおかしそうに笑う。
「目に浮かびます。大河さん、皆さんのことなら何でもご存知ですね」
「そりゃ、大学時代からの仲だからな。洋平の歴代の彼女、全員名前言えるかも」
「え、それって、たくさんってこと?」
「ああ、片手じゃ足りん」
「そうなんだー!洋平さん、モテそうだもんなあ」
瞳子は目を細めて楽しそうに笑う。
そんな瞳子の様子に、大河はホッと胸をなで下ろした。
(良かった。俺と二人でも、身構えずに楽しんでくれてるみたいだし)
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