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「次は買い物だっけ?何を見たいの?」
美術館を出ると、二人は近くのショッピングビルに向かっていた。
「えっとね。本屋さんと文房具屋さん。あとは、100円ショップ!」
ええ?と大河は驚く。
てっきり洋服や雑貨を買いたいのかと思っていたのだが、予想外の店ばかりだ。
とにかく大河は瞳子のあとをついて行く。
まずは本屋から。
瞳子は美術やアートの本が並ぶエリアに行くと、ペラペラと真剣に中を見ながら選んでいる。
大河も近くで、なんとなく手にした本を眺めていた。
「よし、決めた!大河さん、お会計してくるのでここで待っててください」
そう言うと瞳子は、レジへとスタスタ歩き始める。
大河は慌てて本を戻して、瞳子の隣に並んだ。
「ん?一人で行けますよ?」
「ダメだ。一緒に行く」
瞳子が通り過ぎる度に振り返って見とれている男達から隠すように、大河はピタリと瞳子に張り付いていた。
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