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そんな瞳子の様子を少し離れた自分のデスクから眺め、大河は心の中で考える。
(どの段階になればリハビリは終了するのだろう?)
こうやって男ばかりに囲まれていても、彼女は楽しそうだ。
それならやはり、1対1で過ごすのが平気になればいいのか?
いや、それも既に大丈夫だろう。
それどころか、瞳子は部屋に自分を上げてくれた。
ひょっとしてそれは、大きな進歩なのではないだろうか?
確証はないが、おそらく倉木と別れて以後、瞳子は男性を部屋に上げて二人切りになることなど、なかったのではないか?
それだけでなく、あんな…
と、そこまで考えて、大河は顔を赤くする。
あの時抱きしめた瞳子の身体の感触や温かさが、妙に生々しく思い出された。
(また二人切りになることがあったら…。彼女は平気でも俺は無理そうだ)
誰のリハビリなんだか?と自分に呆れる。
(とにかく、ここから先は彼女が本当に好きな相手と、少しずつ乗り越えていけばいいんじゃないだろうか)
そうすると、自分の出番はもうなくなる。
呆気ないくらいにこの関係の終わりを感じ、大河は小さくため息をついた。
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