恋人としての未来

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ある日の夜。 洋平達が展示会場に作業に行き、オフィスでは大河と瞳子がそれぞれ仕事をこなしていた。 届いたオリジナルグッズのサンプルをデスクに広げて吟味していた瞳子が、ふう…とため息をついて肩を落とす。 「どうかしたのか?」 気になった大河が声をかけると、瞳子は元気のない声で答える。 「なんだか煮詰まっちゃって…。最初は、これいいな!と思ってたのに、だんだん、何か違うかも?って気がしてくるんです」 そう言うと両肘で頬杖をつき、サンプルに目を落とす。 まあ、そういうこともあるよな、と大河がひとりごちると、瞳子がふと視線だけ上げて大河を見た。 じーっと見つめられ、大河はだんだん焦ってくる。 「な、なんだ?」 「大河さん。つき合ってくれませんか?」 「えっ?!」 ま、まさかそんな。 いきなり告白?! 大河はアワアワと無意味に手を動かす。 「ち、ちょっと待て。いったい、なぜ急にそんなことを?」 俺のことを好きになったとか? え、本当にそうなのか?! だとしたら、自分もきちんと向き合って考えなければ。 いや、まずその前に… (嬉しい…。俺、今すごく嬉しい。舞い上がってる。ってことは、俺も彼女のことを…?) その時、瞳子が真面目な口調で言葉を続けた。 「ちょっと頭の中をリセットしたくて。洋平さんが教えてくれたバーにつき合って頂けませんか?」 「…………は?」 意味を理解するまで10秒は要する。 「え、バーに?つき合う…?」 「はい。一人で行くのは少し心配で…。ご迷惑でなければ、おつき合い頂けませんか?」 「あ、ああ。つき合います。おつき合いさせて頂きます」 まだ言葉の余韻が違う意味で残っているが、とにかくコクコクと頷いてみせた。 「良かった!じゃあ早速今夜行っても構いませんか?大河さんのお仕事が終わるのを待ってますから」 「いや、急ぎじゃないから今日はもう終わりにするよ」 そして二人はタクシーでバーに向かった。
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