6161人が本棚に入れています
本棚に追加
「ほら、ソファに座って。お水持ってくるから」
「ありがとさー」
大河は瞳子の部屋に上がると瞳子を座らせ、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出した。
コップに注いで瞳子に手渡す。
だが手つきがおぼつかなく、大河は隣に座ると自分の手を添えて飲ませた。
「どう?少しは落ち着いた?」
「うん。もう大丈夫さー」
「どうだか。じゃあ俺は帰るから」
そう言ってスマートフォンを取り出し、タクシーを手配する。
するとその手をガシッと瞳子が握ってきた。
「わっ、何?」
「大河さん、私とつき合ってくれたら、またお酒飲める?」
「ああ、つき合ってもいいけど。今度はこんなに酔う前に止めるからな」
「じゃあ、くっついてもいい?」
「はあ?何に?」
「大河さんにさー」
「どういうこと?」
思い切り眉間にしわを寄せた時、瞳子がピタッと正面から抱きついてきた。
「は?ちょ、なに?」
大河は焦ってうろたえる。
「あったかい…。癒やされる」
「おい、俺は抱き枕じゃないぞ?」
「だって、気持ちいいんだもん。落ち着く…」
頬を寄せてギュッと抱きしめてくる瞳子に、大河の身体がだんだん熱くなる。
女性らしい柔らかさ、豊満な胸の感触、良い香りのサラサラの髪…。
それらを意識し始め、大河の鼓動は一気に速まる。
最初のコメントを投稿しよう!