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(本当におめでたいな。洋平さんのこんなに嬉しそうな顔、初めて見たかも) 幸せそうな洋平の笑顔につられて、瞳子も思わず微笑む。 するとふいに「瞳子」と声がした。 「はい」 顔を上げると、大河が近づいて来て隣に並ぶ。 「え、ちょっと待て。瞳子?!って、大河、お前…」 瞳子を呼び捨てで呼んだことに、既に3人は驚いている。 「ああ。俺達、つき合うことにした」 ええーーー?!と、3人は声を揃えて仰け反った。 「おい、ちょっと!お前こそいつの間に?」 「俺の結婚が一気に霞んだわ。大河、お前の方がよっぽどサプライズだぞ?!」 「いや、でもなんか納得と言えば納得かも」 「確かに。瞳子ちゃんの魅力を誰よりも早く見抜いたのは大河だったし」 「ああ、そうだな」 吾郎と洋平は頷き合い、おめでとう!と二人に笑いかける。 「ありがとう」 大河はそう言った後、透、と声をかけた。 ずっと黙ったままうつむいていた透が、ビクッと肩を震わせる。 「透、必ず彼女を幸せにする。俺の一生をかけて。約束する」 大河がきっぱり言い切ると、透は静かに顔を上げた。 「大河。俺、前に言ったよな?極上の彼女の隣には、超絶にいい男が並ばなきゃって。覚えてるか?」 「ああ、覚えてる」 すると透は、ふっと頬を緩めた。 「お前なら文句なしだよ、大河。必ず幸せにしてみせろ」 「分かった。お前に誓うよ」 透は頷くと、瞳子に優しく笑いかけた。 「おめでとう!アリシア。これからも俺の憧れのスーパースターでいてね」 「透さん…。ありがとうございます」 瞳子が頭を下げると、吾郎が透の肩を抱いて明るく言う。 「よし!今日はもう、パーッと盛り上がろう!」 そして皆でもう一度、乾杯!とグラスを掲げた。
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