そばにいる証

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食事は笑顔で楽しんだが、食べ終わってソファに並んで座ると、急に静けさが広がった。 「今回の滞在も3週間?」 「ああ」 「そんなに会えないの…」 ポツリと寂しそうに呟いてから、瞳子は慌てて笑顔を取り繕う。 「大河さん達の作品が、どんどん海外でも注目されて嬉しいです。イタリアでも素敵な展覧会になりますように」 「ありがとう」 大河は優しく微笑んでから、瞳子、と顔を覗き込む。 「無理してない?」 「…え?」 「今、無理して笑おうとしてる?」 「ううん。無理なんて、してないです」 「本当に?」 じっと見つめられ、瞳子はついにせきを切ったように涙を溢れさせた。 「大河さん…。寂しい。本当は寂しくて堪らないの。3週間も会えないなんて、考えただけで私…」 ポロポロと泣きながらしゃくり上げる瞳子を、大河はギュッと胸に抱きしめた。 何度も頭をなでながら瞳子が落ち着くのを待つと、そっと身体を離し、瞳子の涙を親指で拭う。 「瞳子。寂しくなったら我慢しないで、いつでも電話してきて。何時でも構わないから。分かった?」 「うん」 「無理に明るく笑わなくていい。会いたいって、電話で泣いたっていいんだからね」 「うん」 そう言われただけで、瞳子の心はスッと軽くなっていた。 「大河さんが帰ってきてくれるの、楽しみに待ってるね」 「ああ。たくさんお土産買ってくるよ」 「うん!」 子どものようににっこり笑う瞳子に目を細めると、大河はポケットに手を入れた。
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