あなたになら

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あなたになら

「えっ、ここがお部屋ですか?」 ホテルに戻ってチェックインし、客室のドアを開けると、瞳子が驚いて立ち尽くした。 「ここに泊まるの?本当に?」 「そうだけど、何?」 「だってここ、普通のお部屋じゃないですよね?ひょっとして、ススス、スイートルーム?」 「ははは!そうですよ。ススス、スイートルーム」 「もう、大河さん!」 「あれ?ひょっとして気に入らない?」 「まさか!とっても素敵なお部屋です」 「良かった。どうぞ、お嬢様」 大河がうやうやしく手で促し、瞳子はゆっくりと足を踏み入れる。 窓の外にはパノラマの夜景が広がり、部屋のインテリアも上質でシックな雰囲気だった。 「瞳子、部屋に荷物運ぶね」 景色に見とれていると後ろから声をかけられ、え?と瞳子は振り返る。 (部屋に運ぶ?って、どういうこと?) 不思議に思い目で追っていると、大河はベッドの横のドアを開けて中に入って行く。 「あれ?そっちにもお部屋があるんですか?」 「うん、ベッドもバスルームもあるよ。瞳子がこっちの部屋でいい?」 「え?あ、はい」 何だかよく分からないまま、あとに続いて部屋に入ると、大河は「じゃあ今夜はゆっくり休んで。おやすみ」と言って部屋を出て行った。
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