6143人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
「千秋さん!」
「瞳子?!どうしてここに…。大丈夫なの?」
「私は平気です。千秋さん、ごめんなさい!本当にすみません…」
千秋の顔を見てホッとしたのと、申し訳なさに、瞳子は思わず涙ぐむ。
「泣かないの。ほら、もう大丈夫だから。ね?」
千秋は瞳子を優しく抱きしめた。
「すみません、千秋さんにまでご迷惑をおかけして…。マスコミの人達にもみくちゃにされましたよね?大丈夫でしたか?」
「大丈夫、大丈夫!なんかちょっと有名人の気分だったわ。あはは!」
千秋さん…と、瞳子は千秋の気遣いにまた目を潤ませる。
「それより瞳子、アートプラネッツにいたんじゃないの?ひょっとして一人でここに?」
「はい。あちらにもご迷惑をおかけしてしまうので、明け方に抜け出してタクシーでここに来ました」
「そう、分かったわ。とにかくあなたが無事なのを、冴島さんにも伝えておかないと」
そう言って千秋はアートプラネッツに電話をかけた。
最初のコメントを投稿しよう!