ハリウッドスターカップル

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「瞳子。しばらくの間、うちに来る?」 ゆっくりと朝食を味わい、コーヒーを飲みながら千秋が尋ねる。 「え、千秋さんのうちって、彼と一緒に暮らしてるマンションですよね?そんなのダメです!お邪魔になるだけです!」 「でも非常事態なんだしさ。まあ、瞳子が男の人が苦手なのは知ってるから、無理にとは言わないけど…」 「はい、お気持ちはありがたいですが、初対面の男性と同じ部屋というのはやっぱり…」 「そっか。うーん、でも他にどこかってなるとなあ。冴島さんはウィークリーマンションは?って言ってて、私もそれがいいと思ったけど、それだと瞳子、全く身動き取れなくなるでしょ?食料品の買い出しも行けなくなっちゃう。だから、誰かと一緒にいるのが一番いいと思うの」 誰かいい人いないかなー、と言いながら、千秋はコーヒーを口にする。 「亜由美は?って思ったけど、絶対ダメだよね。マスコミに囲まれたらあの子、ミーハー心に火がついて、何でもしゃべっちゃいそう。あはは!想像つくわ」 面白そうに笑う千秋に、瞳子も思わず頬を緩めた。 「じゃあ、うちの彼氏をしばらく部屋から追い出すか。それならいいでしょ?」 ええ?!と瞳子は、千秋の突然の提案に驚いて仰け反る。 「そ、そんなのいけません!絶対に!私のせいでそんな…。それなら今すぐ私マスコミの前に出て行って、自宅に誘導しますから」 「はっ?!何言ってんの。そんなことしたら瞳子、部屋から一歩も出られないわよ?ずーっとピンポン鳴らされて、おちおち寝てもいられないし」 「でもだからって、千秋さんにこれ以上ご迷惑をおかけする訳には…」 そこまで言った時だった。 ふいに外がガヤガヤとうるさくなる。 何かしら…と、窓からそっと下を覗き込んだ 千秋が、冴島さん?!と声を上げる。 えっ!と瞳子も窓際に駆け寄った。 恐る恐る見下ろすと、タクシーから降りた大河が、マスコミをかき分けて入り口に向かって来る。 大河に続いてどさくさ紛れに建物に入ろうとしたマスコミを、警備員が両手を広げて制止していた。 瞳子は急いで事務所の入り口に行き、ドアを開ける。 タタッと階段を駆け上がって、大河が姿を現した。
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