ここを出る日

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横浜の期間限定のミュージアムは、ゴールデンウィーク最終日に終了する。 そのクロージングセレモニーで使う映像を編集しながら、大河はチラリと視線を上げて洋平と瞳子を見比べた。 あれから二人は交代でシャワーを浴び、ふわりと同じシャンプーの香りを漂わせながら、タブレットを見て話し込んでいる。 夕べ二人に何があったのか? 大河は妄想たくましく、あれこれと想像しては顔を赤らめ、慌てて頭を振って打ち消していた。 「大河」 「うわっ、な、なんだ?」 急に洋平に視線を向けられ、大河は思い切りうろたえる。 「ん?そんなに焦ってどうかしたか?」 「いや、別に。それよりなんだ?」 「ああ。横浜のミュージアムのクロージングセレモニーで発表する次回のミュージアムの映像、ラフに仕上げたんだ。あとでチェックしてくれるか?」 「分かった。透と吾郎が帰って来たら一緒に観よう」 「了解」 透と吾郎は、ミュージアムの様子を見に行っている。 映像のチェックは皆で一緒にするのが大河のこだわりだった。 ファーストインプレッションを共有して、真っさらな状態で意見交換をする。 それが大事だと大河は思っていた。 やがて二人が戻って来て簡単な報告をすると、皆で昼食を取る。 少し休憩してから、洋平が制作途中の次回のミュージアム映像をプロジェクターで上映し始めた。
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