ここを出る日

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「へえ、いいな。今までの洋平らしさに、なんかこう、新たな魅力が加わった感じがする」 「うん。綺麗で繊細で、クオリティがワンランクアップしたな」 「川や海の透明感がいい。爽やかだなー。これは子どもだけでなく、デートスポットにもオススメ出来るかも」 「確かに」 皆の反応に、洋平は瞳子に目配せしてにっこり微笑む。 (ん?なんだ?) 今日一日、洋平と瞳子から目が離せないでいた大河は、またしても二人の様子が気にかかる。 「じゃあ、この方向で仕上げていいか?」 「ああ、頼む」 洋平の言葉に頷き、またそれぞれの仕事に戻った。 夕食を食べた後、洋平はふあーと眠そうにあくびをしてから立ち上がる。 「今日はもう帰るわ。お先ー」 「ああ、お疲れ様」 洋平が帰ってしばらくすると、吾郎と透もそれぞれ退社する。 今夜は大河が泊まる番だった。
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