新たな生活

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「お疲れ様です!どうでしたか?オープニングイベントは」 いよいよやって来た、アートプラネッツの新作オープニングイベント。 お台場に夏の期間限定で開催される、水と海がテーマの体験型ミュージアムは、満を持してプレオープンの日を迎えた。 前回同様、子ども達を招いて自由に体験してもらい、マスコミに取材してもらう。 夜のレセプションパーティーも、海外からのゲストを招いて華やかに催された。 事務所で留守番していた瞳子は、帰ってきた千秋を笑顔で出迎える。 「ただいまー。今回も大盛況だったわよ。ううん、前回よりも盛り上がってたかな?」 「そうなんですね!良かったです。千秋さんもお疲れ様でした。今、アイスコーヒー淹れますね」 「ありがとう!」 千秋はソファに身体を預けながら、いそいそと冷蔵庫に向かう瞳子の様子をうかがう。 今回のオープニングイベントも、自分が携わりたかったに違いない。 そう思い、千秋は敢えて瞳子にこの話題は振らないようにしていたが、瞳子は何やら楽しそうに話を聞いてくる。 「それで、どうでしたか?今回のミュージアムは。やっぱり素晴らしかったですか?」 「うん、それはもう。子ども達も大喜びだし、マスコミの反応も良かったわよ。デジタル技術も更に進化してて、私も圧倒されちゃった」 「そうなんですねー!」 瞳子は両手を頬に当てて、目を輝かせる。 「私も観るのが楽しみ!あ、えっと、ホームページの紹介映像を観るのが、ですよ?あはは!」 何やら笑ってごまかす瞳子に、千秋は、ん?と首をひねっていた。
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