楽しかった日々

1/4

6166人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ

楽しかった日々

お台場のアートプラネッツのミュージアムは、夏休みの終わりと共に終了となり、千秋はクロージングセレモニーの司会を終えて事務所に戻る。 「お帰りなさい、千秋さん。お疲れ様でした」 「ただいま。こんなに遅くまで、待ってなくても良かったのに」 「ううん。千秋さんのお話、聞かせてもらいたくて」 笑顔で出迎えた瞳子は、千秋に冷たいアイスコーヒーを淹れてから早速身を乗り出して尋ねる。 「どうでしたか?セレモニーは」 「ええ、相変わらず海外からの反応も良くて盛り上がったわよ。あの様子だと、海外進出もすぐに実現しそうだわ」 「そうなんですね!それで、次回のミュージアムの予告は?何か発表はありましたか?」 「うん。冬に向けて、12月半ばから2月のバレンタインデーまでの2ヶ月間開催するんだって。テーマは、雪の結晶だそうよ」 雪の結晶!と、瞳子は目を輝かせる。 「わあ、素敵だろうなあ。楽しみ!あー、早く観たい」 「ふふ、瞳子ったら。すっかりアートプラネッツのファンね」 「それはもう!何としてでも絶対に観に行きます。今から楽しみ!」 興奮気味の瞳子を、千秋も微笑みながら見守っていた。
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6166人が本棚に入れています
本棚に追加