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真桜と美桜の両親の名前は、阿岳 真、阿岳 美奈。
そう。
真桜と美桜は、お父さんお母さんの名前を一字づつ譲り受けていた。
阿岳 真は市役所で働いていた。
年収は400万円〜500万円といったところか。ギリギリ中流家庭のゾーンに入るか入らないかの部位にいる、ごく平凡な家庭の中で真桜と美桜は両親の愛情に包まれながら育ち、小学生となった。
この頃から真桜と美桜の容姿や性格がクッキリと違う方向へと向かっていった。
真桜は、お父さん似でエラが張ったベースのような輪郭の顔となり一重の小さな目でアヒル口。鼻は高さはあったものの小鼻が大きかった。……お世辞にも可愛い、、言うのとは程遠かった。
美桜は、お母さん似で卵のような輪郭の顔となりパチリ二重の大きな目で薄い唇の形に品があった。鼻筋も綺麗で小鼻も小さく……ハッキリ言って可愛く美人だった。
しかし真桜は頭が良くスポーツも万能であった。リーダーシップもあり快活で皆んなの人気者。これもお父さん譲りであった。
一方、美桜はといえば、どちらかというとドン臭く引っ込み思案な性格であった為、皆んなの陰に隠れてモジモジとしていた。これもお母さん譲り。勉強も中央値でスポーツは苦手であった。
だから美桜にとって真桜は尊敬に値する存在であり、そんな真桜と双子なんだと思うと誇らしくも思っていた。
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